沖で待つ

snoda97821422006-03-09

 第134回芥川賞絲山秋子さんの「沖で待つ」が選ばれました。文学作品はほとんど読まないのですが、今年の芥川賞は難解でない推理小説風の作品が(めずらしく?)選ばれたと聞いて読んでみました。
 会社の同期の間にうまれた不思議な男女の友情の物語です。二人は入社当初一緒に苦労と喜びを共にしますが、転勤で離れ離れになります。それでもお互いのことを気にかける存在でした。そして久しぶりに東京で再開したとき、もし不慮の事故でどちらかが死亡した場合、相手のパソコンのハードディスクを破壊しよう、と約束するのです。死亡した場合、部屋の中だけではなくパソコンの秘密の中身まで公になってしまうからです。
そしてまもなくして男性が飛び降り自殺に巻き込まれてあっけなく亡くなり、約束は実行されるのです。
 出張中に一気に読んだのですが、なかなか面白い小説でした。物語が不思議な臨場感にあふれていて、よい気分転換になりました♪

追伸 同時期に養老孟司著の「超バカの壁」を読みました。前作はとても面白かったのですが、今回の作品は作者の戦争や平和に対する偏見があまりにどぎつく出ていて途中で読むのをやめました。買って損した気分です。